略 歴 | 沖縄高専卒業後、十数社の転職を繰り返しながら自分の得意なことを生かせる職業を求め会計の専門学校へ通い資格取得。2019年うむさんラボへ入社。自社の管理業務全般を担いながら、「ゆいといろ」(管理部門シェアリングサービス)の立ち上げメンバーとして尽力。現在、沖縄県内でソーシャルビジネスを行う企業の経理・労務などのバックオフィス業務の運用に加えて、管理基盤強化を推進している。 |
---|
インタビューroku youメンバー紹介
一人一人の感情や個性を大切にした安心できる場を広げたい
#1
現在、私は、roku youでバックオフィス業務を担当しています。しかし、こうした形で教育に関わるに至るまでには少し時間がかかりました。 長年「教育に携わりたい」という思いを抱いてきた私も、小学生高学年の頃は、学校が楽しくなく、行く意味がわからない状態に陥っていました。クラスメイトとも合わないし、集団行動も苦手。「勉強は家でもできるのだから、学校は行かなくてもいいのではないか」と真剣に思っていたんです。 しかし、そうした思いは、中学校に入ってガラリと変わります。ソフトボール部に入り、真っ黒になるまで打ち込んで、学校に行くことが当たり前になったんです。高専進学後も野球部のマネージャーとして夢中になって取り組みました。特に高専は海外から帰ってきて先生になった人や企業で働いてから教員になった人など多様なバックグラウンドを持つ方がおり、すごくおもしろかったんです。 小学生の頃の経験と対比して、「教育はこんなにも幅広いものなんだ」ということを感じました。「教育に関わることがしたい」という気持ちと、「教員として公教育に関わるのは私の道ではないような気がする……」という思い。高専卒業後は、裏腹なこうした感情を抱き、「何かを求めている感覚はあるけれど、それは何だろう」と迷子になっていました。
#2教育に関わる道を模索する中で見つけた「これだ!」という感覚
ある時、ソーシャルビジネスを行う方々が集まるイベントで、(下向)依梨さんと出会い、roku youの話を聞き、「これだ!」という感覚を得ました。高校生のうちから家族、親戚、先生以外の大人の方と関われる場所を提供していると知り、「私も子どもの頃、そういう場所がほしかった」と純粋に心が動いたんです。 周囲を見渡しても、「親が言ったから」「先生に指導されたから」という理由で全ての思考が止まっている子が多くいました。狭い枠の中で生きることで、身近な大人の考えを「答え」だと思い込んでしまっている……。これでは、子どもたちが自分らしい未来に向けて歩んでいくことができないですよね。 また、私自身も自分の未来について近しい大人に相談した時に、「やめておいたら」「ちょっと難しいんじゃない」と言われることがありました。そうすると、躊躇する気持ちが芽生えて、足踏みしてしまいました。もしその時に、別の角度から背中を押してくれる大人がいたら……、すごく人生にとってプラスになったのではないか、と感じたのです。 それに、不登校になった小学生時代は、クラスに問題を起こす子がいて、それによって先生の怒鳴り声が教室に響くことがストレスでした。そういう子どもたちの背景には、意図や言いたいことが隠されていたのではないかと思います。もしSEL的な土壌が整備されていれば、もう少し平和な環境にできたのではないでしょうか。学校では、知識を身につけること以外に、もっと自分の気持ちや他者の気持ちを大事にし、良好な関係性を築く体験がしたかったと感じたのです。
#3助け合いが当たり前になる社会へ
roku youでは経理や管理部門の業務全般を担当しています。こうしたバックオフィスのサービスに、「ゆいといろ」というサービス名を付けて、多様な企業のサポートをさせていただいています。「ゆい」は昔から沖縄に受け継がれてきた「ゆいまーる(助け合いの精神)」から、「といろ」は「十人十色」から取っています。このサービスを広げていくことで、「どんな人でもありのままで、共にいることのできる社会を。」というコンセプトの実現を目指しています。 人は、なにかしら得意なことがある一方で、苦手なことや頑張ってもできないことを持ち合わせています。私自身も、集団行動や人が多いところが苦手という特性があります。にもかかわらず、さまざまなシーンで「社会人ならばどんなことでもできて当たり前」と言われます。こうした事態に違和感を感じていましたし、みんなと同じようにできない私にとっては、当時の社会は息苦しかったんです。 こうした経験から、私は、それぞれの個性を受け入れながら助け合っていく社会をつくることに携わっていきたいと、考えるようになっていきました。大人たちがそうした社会をつくっていけば、子どもたちも安心して自分らしくいられるようになっていくと思うんです。 この社会は、もともとは優しい世界なのではないでしょうか。私はそれを少しずつ取り戻していきたい。その実現のために、一人一人が安心を感じられる場を少しずつ広げていきたいと思っています。